百貨店業界全体に明るい兆しが見えてきた。1つはインバウンド需要。2014年の訪日外国人数は過去最高を記録し、百貨店はその消費の受け皿として、大きな恩恵を受けている。もう1つが、アベノミクスの株高による富裕層の消費回復。富裕層は百貨店の主要顧客であり、その消費意欲が高くなってきているのはポジティブ要因だ。

もちろん、ボリュームゾーンである中間層の消費はまだ戻っていないが、これは最近始まったことではなく各社想定内。それよりも、これまでにないプラス材料が出てきていることを前向きに捉えるべきだろう。

(構成=衣谷 康)
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