ギリシャへの金融支援をめぐって混乱が続いている。債務不履行(デフォルト)やユーロ圏離脱の可能性も出てきたが、これは株式市場にとってほぼ想定内。一時的に下がる局面はあるが、今後も2018年あたりまで上昇は続くと見ている。

その中でも注目したいのは、新規上場銘柄だ。新規といってもIPO(新規公開株)ではなく、上場約1年の新しい会社こそ、買いやすく、狙いがつけやすい。

上がる銘柄の見極めは「ほかと比較しようのない業種」であることだ。株価は、競合他社との比較で相対的に決まる。A社よりB社がいい企業と判断されれば、B社の株価が高くなる。比較基準で株価が決まるわけだ。それが、ほかに類のないビジネスだと、比較対象がなく株価が定まらない。結果、高騰していくケースが多い。

具体的な銘柄を3社挙げよう。1つは鍼灸接骨院を全国チェーン展開するアトラ。昨年12月上場で、公募価格は740円だったが、3455円(7月7日現在)。鍼灸接骨院は全国に42000院ほどあるが、ほとんどが個人営業。アトラのような上場企業はなく、リラクゼーションとも違い、国家資格を持つ柔道整復師などが施術しているのが強みだ。

2つ目は、航空券を比較して予約できるサイトを運営するオンライン旅行代理店のアドベンチャー。昨年12月上場で、公募価格は2500円、現在は8450円(同前)。正社員わずか15人で売り上げ約68億円。日本航空の代理店であることも強みだ。

最後はオイスターバーを運営するヒューマンウェブ。今年3月上場、公募価格は1800円だったが、4月には4875円にまで急騰。現在は3000円台で推移。扱いが難しい生牡蠣を卸売から手掛け、海洋深層水を使った陸上養殖研究も行っている。

株式市場では、“オンリーワン”は“ナンバーワン”に勝るのだ。

(構成=衣谷 康)
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