ボディは布製で着せ替えも可能

東京・表参道の洒落たインテリアショップで5月20日、非常にユニークな自動車の発表会があった。その名は「rimOnO(リモノ)」。超小型電気自動車(EV)だ。

経済産業省出身の伊藤慎介氏(左)とトヨタ自動車出身のデザイナー、根津孝太氏。

全長2.2m、全幅1m、全高2.2m、車両重量約320kg。ほぼシングルベッドと同じ大きさで、大人2人もしくは大人1人と子供2人が乗れるようになっている。最高速度は45km/hで、1充電当たりの航続距離は50km(目標)だ。ボディカラーは水色だが、なんと布製で、テントなどで使用される防水性のものを使っている。触ると弾力があり、まるでクッションのようだ。しかも着せ替えが可能だという。

開発したのは車名と同じ名前の「rimOnO(リモノ)」で、経済産業省出身の伊藤慎介氏とトヨタ自動車出身のデザイナー、根津孝太氏が設立した“新しい乗り物”の会社だ。

伊藤氏は1973年生まれ、99年京都大学大学院を修了後、通商産業省(現経済産業省)に入省。同省では自動車用蓄電池の技術開発、スマートハウス、スマートコミュニティなどの国家プロジェクトを立ち上げ、国産ジェット旅客機「MRJ」の航空機産業政策に携わった。しかし、プロジェクトを立案しても、自分自身が実行することができないとの思いが年々強まり、14年に超小型電気自動車の開発ベンチャー、リモノを根津氏とともに設立した。

一方、根津氏は1969年生まれ、92年千葉大学工学部を卒業後、トヨタ自動車に入社。同社では、未来型パーソナルモビリティ「i-unit(アイユニット)」や親子で楽しむコンセプトカー「Camatte(カマッテ)」などをデザイン。2005年に同社を退社し、「znug design(ツナグデザイン)」を設立。888万円の電動バイク「zecOO(ゼクウ)」を世に送り出した。

そんな経歴を持つ2人がタッグを組み、高齢化社会が深刻化する日本の未来を見据えて開発したのが、今回披露した「rimOnO」だったわけだ。