「すみません」は謝罪の言葉

「欲求五段階説」を主張したことで広く知られるアメリカの心理学者アブハム・マズローは、こんなふうに説いています。生理的欲求、安全欲求、社会的欲求といった、外的に満たされたいという低次の欲求の上に、他社から認められたいと願う「承認欲求」や、自分の能力を引き出し、創造的活動をしたいと願う「自己実現欲求」といった内的に満たされたいという高次の欲求が存在する――。

「ありがとう」は、まさに相手の承認欲求を満たし、自己実現欲求をくすぐる言葉です。

他のクラスでは「ありがとう」の代わりに、「すみません!」「どうも」という言葉を頻繁に耳にしましたが、「すみません」は謝罪の言葉、「どうも」はもともと「非常にありがたく思う」の「非常に」にあたる言葉で、感謝の気持ちを表す言葉ではありません。

私の周囲には、コーヒーショップやレストランで、連れの男性が店員さんに「ありがとう」と伝える様子が決め手となり、交際を始めたという女性もいます。

「ありがとう」は人生を変えるほどの力を持つ深い言葉なのです。

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