一貫性ある希望を出し続けてみる

自分はこういう仕事をしたいんだという意思を堂々とアピールすることはいいと思う。そのときの能力が希望する職種に向いていると上司が思ってくれているのならば、上司を通して人事と相談してみるのもいい。ただ、上司がその人の能力をどれだけ見抜き、理解してくれているかにもよるが、組織の中ではなかなか許されない行為だろう。

大和ハウス工業 樋口武男会長・CEO

会社によっては定期的に本人から今後の部署や転勤について、希望調査やヒアリングを行う場合がある。仕事ぶりに強い自信があるのなら一貫性を持った内容の希望を出し続けるのも良いだろう。

私事で恐縮だが私は歩合制セールスマンの一般募集の試験を受けたときに、身重の妻がいる家庭の事情を話し、正規社員として採用してほしいと交渉した。それまで勤めていた鉄鋼商社での知識が評価され、私の希望が通って入社できた。最初は工場勤務、次に大阪支店や本社の資材部門の配属になり、そして住宅営業を3年やった。36歳で山口支店の支店長、福岡支店長、東京支社勤務となったが、どの部署に移っても嫌な人事異動だと思ったことはない。山口という一般的な地方の都市、福岡という中核都市、そして東京という大都会を経験させてもらって大阪・本社に役員になって帰ってきた。だから振り返ってみると、短期間でいろんなところを経験させてもらったなという思いが強いし、各職場で全力投球してきたと実感している。