5つの「フレーム」がロジカル思考を導く
コンサルタントによってやり方は違いますが、私が提唱しているのは、横長の1ページを5つのフレームに分割する方法です。その枠に沿って5つのステップで思考を進めれば、ロジカルな結論をスムーズに導けます。
まずはノートの上部3~5センチのところに左右にわたって線を引きます。さらにその上部を中央で2等分にし、下部は3分割します。するとノートには5つの枠ができるはずです。準備ができたら、左上の枠から左回りで思考を進めていきます。
左上の枠は「見出し」です。ここでは今回のノートのテーマや論点を書き入れます。続いて、左下に「事実」を書きます。ニュースや資料のデータ、人から聞いたこともここに書きます。「事実」を書きながら疑問点やアイデアが生まれたときには、中央のスペースに「解釈・気づき」を書きます。このスペースは言わば、あなたの頭の中を具現化したもの。ここをいかに膨らませられるかが問題分析のカギです。
4つ目は右下の「行動・要約」です。ここには「解釈・気づき」を踏まえて明らかになった課題やそのための解決策を書きます。このスペースを設けることで、ノートをまとめたあとに何をすれば結果が出せるのかが明確になります。最後は右上に「まとめ」を書きましょう。ここでは3行を目安にポイントを書くと、見た目も中身もすっきりします。
この5枠のうち、特に下部の3枠を、コンサルタントの世界では「雲・雨・傘」と呼んでいます。
「雲が垂れ込めてきた」という事実に対して、「雨が降りそうだ」という解釈があり、それに対して「傘を用意しよう」という行動が論理的に導き出されるわけです。
「雲・雨・傘」に「見出し」と「まとめ」を加えたのは、あとから見返すときに便利だからです。ページ上部に目を通すだけで、問題の概要を把握することができます。また思考を進める際には、問い(論点)と答え(結論)が対応しているかを、すぐに確認することもできます。
こうした5つのフレームで思考を組み立てることにより、どんな問題に対しても「いま何を考えるべきなのか」がすぐにわかるようになります。
ただし、この5つのフレームを有効に使うためには大きめのノートが必要になります。具体的にはA4サイズ以上のノートを選ぶようにしてください。1つのテーマに関するトピックを1ページに集約することが重要です。B5サイズ以下の小さいノートでは収まりません。ノートのサイズは思考のサイズなのだと心得ましょう。