20代が選挙に行かないから「老人天国」

なるほど、投票所で若者を見かけないわけです。

これでは、若者の意向は政治に反映されないだろうな、と思います。後でみるように、政治への要望は若者と高齢者ではかなり異なるのですが、重きが置かれるのは後者。その結果、若者の政治不信が強まり、ますます選挙から離れていく……。こんな悪循環もあるのではないでしょうか。

ちなみに、選挙の投票率は国によって大きく違っています。主要国について、「国政選挙の際、いつも投票する」という者の割合を年齢層別に出し、グラフにしてみました。図1をご覧ください。

日本は、「いつも投票する」の割合が低く、世代差も大きくなっています。右上がりの傾斜が急です(韓国、アメリカも同じ)。南米のブラジルは、どの年齢層も高い「高原型」。この国では、18~70歳の国民は選挙の投票を義務付けられており、理由なく棄権した場合は罰金・罰則を科されるそうです。中南米では、こういう強硬策を採っている国が多くなっています。

時代比較・国際比較から、日本の若者の投票率の低さ(選挙離れ)が明らかなのですが、彼ら(若者)は政治に何の期待もしていないのではありません。多くの要望を持っています。

内閣府『国民生活に関する世論調査』(2015年7月)では、政府への要望を複数回答で尋ねていますが、20代の若者と70歳以上の高齢者を比べると、前者のほうが多くの事項を選択しています。