高齢者介護施設にはいろんな種類がある
[1]要介護1以上必要。要介護度や必要度の高い人が優先。入所希望者が多いため、入所までに時間がかかる。施設サービス費の本人負担1割に加え食費・居住費・日常生活費は自己負担。施設サービス費は介護保険で決められており、要介護度や部屋のタイプによって異なる。食費・介護費込みの費用で、大体5万~15万円。
[2]通称「老健」と呼ばれる。要介護1以上必要。病状は安定しているが、退院してすぐ自宅に戻るのは不安という人が利用する、病院と自宅の中間的存在。在宅復帰のためのリハビリによる機能回復を重視。介護が重度になると利用継続が困難となることも。原則として入所期間は3カ月。食費・介護費込みの費用で15万円くらいが目安か。
[3]要介護1以上必要。急性期の治療が終わり、病状が安定したものの、長期間の治療が必要な方が対象で、医療や看護に重点を置いたサービスが受けられる。介護の体制が整った医療施設。食費・介護費込みの費用で10万円くらいか。※2018年3月の廃止が決定しており新型の「介護療養型老人保健施設」へ転換する。
[4]低収入、虐待や心身上の障害などの理由から家庭での介護が困難であることが入所の基準となる。原則65歳以上で、身の回りのことが自分でできること。介護が重度になると利用は不可となる。介護保険施設ではないので、施設への入所は市町村が窓口となる。食費・介護費込みの費用は所得に応じて異なるが、目安は5万円くらいか。
[5]軽度の介護サービスが必要な人向け。基本的に身寄りがない、住宅事情や家庭環境によって家族の援助をうけることができない人が対象となる。比較的低額で入居できるが、料金は施設、各市町村、扶養義務のある家族の世帯収入などによって異なる。入居中に介護が必要な状況となった場合も、介護サービスを受けることができる施設が増えている。
[6]認知症の高齢者が少人数で共同生活しつつ、介護や支援を受けながら、食事の支度や掃除、洗濯などの家事を行い、自宅に近い状況で生活を送ることを目的とした施設。認知症の方が混乱せずに普通の生活ができることが最優先。介護が重度になると利用継続が困難になることも。また入居一時金が必要な施設もある。
[7]基本的には介護の必要がない、自立して生活のできる健康な高齢者のための施設。入居者全員が自立者であるため、周囲には元気な高齢者が多く友人ができやすいというメリットもある。介護が必要になった際には、退去する契約と、介護付きのホームに移れるシステムがあるので確認が必要。入居一時金は、介護型よりも高額な場合が多い。
[8]自立または比較的軽度の介護が必要な人向け。介護を行いやすい空間(住宅)を提供している施設で、施設に介護スタッフが常駐していない。介護が必要になった場合は、個人で居宅介護の契約を結び、訪問介護サービスなどを利用する。ホームによっては施設内、もしくは近隣に委託先の介護業者と提携しているケースもある。
[9]要介護入居者3人に対して1人以上の介護スタッフの配置が義務づけられており、スタッフが24時間常駐している。また、医療機関との連携により、健康管理や緊急時の対応、療養に必要な処置も提供される。しかし、場合によっては(認知症、医療の提供頻度が高まった、施設の秩序を乱すなど)、退去する契約になっている施設もある。
[10]2011年10月に制度化された高齢者が安心して居住できる賃貸住宅。20年までに60万戸つくる予定。バリアフリーな構造、広めの居住空間に加え、ケアの専門家による安否確認と生活相談サービスが義務付けられている。カラオケなど娯楽施設が充実した施設も。賃貸契約なので、入居一時金は必要ないが、敷金礼金がかかる。