破壊的なイノベーションFinTech
世界経済フォーラム年次総会(通称ダボス会議)では2014年1月に“Disruptive Innovation in Financial Services(直訳:金融サービスにおける破壊的イノベーション)”という分科会を設置し、今年6月には調査報告書“The Future of Financial Services (直訳:金融サービスの未来)” [1] を発表。グローバル金融機関、コンサル、取引所、決済機関等で経営に携わっている17名が運営グループとなり、他26名がプロジェクトメンバーとして関わった(残念な事に日本企業の名前は無いようだ)。
運営グループメンバーであるディビッド・クレイグ(弊社Financial&Risk部門社長)によると、2014年1月時点の雰囲気は“Skeptical(懐疑的)”で、足元でおきている変化が“Disruptive(破壊的)”なのか見極めたかったメンバーがほとんど。それがたった1年半で「破壊的なイノベーションが金融サービスの仕組み、提供、そして利用方法を変革している」(前述の調査報告書サブタイトル)で満場一致へと様変わりした。
176ページにわたる報告書では、金融サービスの6つの機能(支払い、預金・貸金、資本調達、保険、投資、そして市場予知)から合計11のイノベーションに注目し、それぞれを詳しく説明。41のグローバル金融機関と、100社を超すFinTech企業の状況や考えを、計6回のワークショップで議論した結果になっている。詳細は別途お伝えするとして、ここで重要なのは、金融サービスがその仕組みと共にパラダイムシフト[2]を起こしているという事実。伝統的な金融機関とそのサービスが破壊され、新しい枠組みが生まれているのだ。
具体的な内容の説明をもったいぶり過ぎて嫌われても意味が無いので、ここで少し例を挙げよう。