【Q】英語ができるようになるには、欧米の文化も学ばないとダメ?

【A】日本人の英語の先生は「英語を学ぶなら、まず文化的な背景を知りましょう」なんてことをよく言いたがります。なぜなら日本人は柔道、茶道、剣道、書道と、なんでもすぐ「道」にしてしまう民族。求道精神が強いので、英語も「英語道」にしてしまうのです。そもそも英語の先生になろうという人たちはもともと英語が大好きな、いわば英語オタクですから、向こうの生活習慣とか歴史とか、欧米人のものの考え方なんかを喜んで勉強する。その結果、生徒にも教えたくなるのでしょう。

しかしビジネスマンが英語を学ぶのは、仕事の道具として必要だからですよね。向こうの文化を知らないと「企画書を送ってください」と言えないなんてことはないように、欧米文化に興味が持てなくても、英語の習得に問題はありません。英語はあくまで「技術」と捉えるべきです。(内藤さん)

【Q】記憶力が衰えたのか、なかなか覚えられないし、覚えてもすぐに忘れてしまう

【A】確かに中年になると若いころより学習能力や記憶効率が落ちます。しかしまったくゼロになるわけではない。これは心理学の研究によっても明らかになっています。車に例えれば、200キロは出ないけれど100キロは出る。

本当は年齢のせいにして勉強から逃げたいだけでしょう。人間は自分を正当化するためなら、ありとあらゆる言い訳を思いつくものです。「親父が頭悪かったから俺もバカなんだ」なんて、どうにもならない言い訳をする人もいるくらい。覚えられないのは単なる復習不足です。新しい知識を詰め込むより、覚えた単語やフレーズを積極的に使うようにしてください。(内藤さん)

「年を取って記憶力が衰えた」と言う人は多いですが、では若ければ若いほど記憶力がいいのでしょうか。もしそうなら、子供のころは特に勉強しなくても漢字テストで100点を取れていたはず。でも実際に100点を取れたのは、何回も漢字の書き取りをしたときではありませんでしたか。これと同じで、何回も声に出して発音して、書いて覚えた人だけが英語を身に付けることができる。年齢は関係ありません。記憶し続けるには、アウトプットし続けるしかない。忘れたらまた覚えればいいのです。(イムランさん)

(長山清子=構成 澁谷高晴=撮影)
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