【Q】残業代がつかなくてもいいから、じっくり仕事がしたい。
人間の集中力は長くは続かないので、時間をかければよい仕事ができるかといえば、必ずしもそうではありません。それに最初から残業をすることを考慮に入れて仕事をしていると、緊張感も薄れ仕事のスピードも落ちてしまいます。
さらに問題なのは、「残業は悪いことじゃない。むしろ会社のためだ」というふうに正当化することです。果たしてそれは会社のためなのでしょうか?
月給÷1カ月の労働時間÷1日の労働時間で自分の時給を算出すると、サービス残業をすればするほど時給が下がります。一方、労働時間を少なくすれば時給は上がり、給料が上がるのと実質的にイコールになります。残業していた時間を資格取得のための勉強などに有効活用ができます。
残業代が出る場合は時給が高くなるかもしれませんが、会社としては、それだけ人件費が上がり、あなたの給料以上の利益が会社に入ってこなければ会社としては赤字。これから先、給料が上がらなくなる可能性も出てきますよ。
【Q】ああしようか、こうすべきか、決められないうちに、時間がなくなる。
仕事はマルチタスク。ほとんどのビジネスパーソンは、同時に複数の仕事を抱え、終わっても次から次へと新しい仕事が舞い込んできます。そういう状況になると、つい勝手に優先順位をつけ、後から頼まれた仕事でも、こっちのほうが重要そうだと、あちこち取り組みがちです。すると、優先順位の低い仕事はいつまでたっても終わりません。
今できることはひとつしかないのですから「優先順位」ではなく「目先順位」で考えましょう。とにかく端からどんどん片付けるのです。その際は目の前のひとつの仕事に集中し、他のことは一切考えない。そして「今から30分」とデッドラインを設け、その間は、メールのチェックもしないくらいの心がまえで臨んでください。
たとえばレストランでいつまでたってもメニューが決められない人がいます。そういう人は、決める前に店員を呼んでしまうと、オーダーしなければならないというプレッシャーで決断できます。
仕事も同様、作業に時間的制約をつけることで、緊張感が生まれ、脳の回転数も上がるのです。複数の仕事を並行してこなすよりも、同じ量の仕事が短時間かつ、高いクオリティでできます。5つの仕事を同時にこなして、それぞれを半分片付けて翌日に続きをやるよりも、「今日は2つ終わった、あと3つだ」と考えたほうが達成感が得られ、終わりも見えるので、気分的に楽になります。交渉事も同じです。「それいいですね、やりましょう!」と言った後、「今、決めましょう」、あるいは「○月○日に打ち合わせしましょう」と、すぐに次のアクションに移すことを心掛けましょう。