入院日数はどんどん短期化している

ただし、公的保険の対象となる医療費には適用範囲がある。たとえば、入院時に希望して個室や少人数部屋に入った場合の「差額ベッド代」は、公的保険の適用範囲外で全額自己負担になる。

厚生労働省の資料によると、平均的な1日あたりの差額ベッド代は、5820円という。大部屋に空きがなく、少人数部屋ならすぐに入れるということもある。

「しかし、病院の事情も変わってきていて、最近は入院日数の短期化を進めています。たとえば、ガン切除等の手術でも、入院は1~2週間程度というケースが大半。数カ月に及ぶ入院は、よほどの重病でない限りなくなっています」(都倉氏)

先ほど挙げた平均的な差額ベッド代(5820円)が2週間かかるとして、8万1480円。小さくはないが、これくらいなら、預貯金からでも支払える額ではないだろうか。医療費は必ずしも保険で備えなくてもいい。

では、医療保険はどういう場合に必要になるのか。たとえば、まだ一般には普及していない「先進医療」を使った治療は公的保険の適用外で、かつ高額になる。これは日額3000円程度の入院保険に「先進医療特約」をつけておくことでカバーできる。

あるいは、3大疾病(ガン、急性心筋梗塞、脳卒中)などの大病を患った場合、入院したらまとめて一時金が支払われるとか、ガンの診断をされたときに入院する/しないにかかわらず診断給付金が出る保険もニーズが高い。