民間から宇宙へ。アメリカの団体が主催する月面探査レースでひとりの日本人が奮闘している。袴田武史――『スター・ウォーズ』に影響を受け、宇宙開発を夢見る青年が目指すものとは。

月面500メートル移動で賞金2000ドル

【田原】袴田さんが代表を務めるチーム「HAKUTO」は、「Google Lunar XPRIZE」という賞金レースに参加されているそうですね。これはいったい何のレースですか。

ispace代表 袴田武史氏

【袴田】アメリカに、賞金レースを活用してイノベーションを促そうとしているXPRIZE財団という団体があります。彼らが主催するプロジェクトの一つに、月面にロボットを送り込み、500メートル以上移動させて、月面の映像を地球に送り返したら勝ちというレースがあります。それが、「Google Lunar XPRIZE」。名前からもわかるようにグーグルがスポンサーになっていて、ミッションを最初に成し遂げたチームは賞金2000万ドルを獲得できます。