誰にも共通するテーマをわかりやすく話す
「徳性」は安岡正篤さんの本によく出てくる言葉で、会社の社是に掲げるほど小林さんが好きな言葉だと言います。挨拶をするときにも、「徳性」やそれに関連する「仁・義・礼・智・信」を例に話すことが多いそうです。
たとえば、「仁」とは人を思いやること、「義」とは人として行うべき正しい道、ひとことでいえば常識を守ること、というように、わかりやすく語りかけることを、小林さんは心がけています。安岡さんの言葉を言い続けることで、実際、歯科医院のスタッフの意識が、大きくかわったそうです。
人間いかに生きるべきか? 誰にも共通するテーマについて、故事や教訓にちなんだ安岡さんの言葉をもとに話をすれば、相手の心に伝わるものがあります、と小林さんは言います。
経営者や経営幹部が、朝礼などで挨拶するときのコツを、こう教えてくれました。
「言い間違えても、あまり気にしない。大事なのは、話の本質を伝えることです。人前で何度も話すうちに、安岡さんの言葉が自分の言葉になっていくんです。そうなると言葉が、相手により伝わるようになりますよ」
また、常日頃からスタッフの前でスピーチをしていると、公の席で「ちょっと話をしてください」と急に指名されたときでも、気の利いた言葉がスッと口から出てくるようになります、と小林さんは言います。
「数十人も来賓がいる前で『論語』の一節を引用したりすると、注目が集まりますよ」
小林さんが安岡さんの言葉をどう学んだか? 詳しいことは、『「運命」はひらける!』(プレジデント社刊)をご覧ください。