肉と酒で1000万円!?
「クラウドファンディング」という言葉をご存知でしょうか? 「クラウド」は「群衆」、「ファンディング」は「資金調達」の意味であり、要するに大勢から資金を集めてプロジェクトを推進していく手法のことを指しています。国内では「Makuake(マクアケ)」「CAMPFIRE(キャンプファイア)」「READYFOR?(レディーフォー)」など複数のサービスが覇権争いを繰り広げています。
デジタル系ガジェットなどモノづくりのプロジェクトもありますが、「こんな店をつくりたい!」というような新しい飲食店の企画も数多く見受けられます。Makuakeでつい先日募集を終えた「日本酒と焼肉」をメッセージとして打ち出したプロジェクトでは、400名の資金提供者からなんと1000万円以上の金額が集まっており、クラウドファンディングはうまく機能すると非常に有効なツールとなりうることがわかります。
ここで改めて飲食店にとってのクラウドファンディングのメリットを考えてみましょう。「ファンディング」というくらいですから、資金を集めることが重要な機能であることは言うまでもありません。しかし、例として挙げたケースのように多額の資金が集まることはむしろ例外というのが実際のところで、多くのプロジェクトの募集状況では、よくても200~300万円が上限に近いという印象です。そもそも目標金額を最初から100万円程度に設定しているプロジェクトも多いようです。100万円や200万円は確かに大金ではありますが、飲食店を新規で立ち上げると数千万円かかることも一般的ですので、その観点からすると「開業資金をまかなう」という目的に対してはまったく不十分です。