それから「将来のため」という理由で、夫に過度の節約を強要するのであれば、どのくらいのお金があったら安心なのかを聞いてみるといい。きっと、根拠のない非現実的な数字を挙げるか、答えられないかのどちらかである(もちろん、○年後に××万円のマイホームが欲しいなどの明確なライフプランや資金計画がある場合は別)。
実際に、家計相談を受けると、将来に対する不安感を理由に、過剰なほど保険に加入したり、やたら貯蓄に励んだりする人がいるが、「そんなに心配ばかりしても……」と感じることも多い。
だいたい世の中のリスクは、お金で対処できるものばかりとは限らない。また、すべてをお金でまかなおうとするならば、いくらあっても心配が解消されるものではない。
無限ともいえる心配に区切りをつけ、その人なりの折り合いをつけていくしかないのである。
また、お金はそれ自体に価値があるのではなく、「使うこと」に意味がある。使わなければ、紙幣などただの紙キレにすぎない。要は、今使うか、あとで使うかの違いだけだ。そして、「あとで」という人は、肝心の使うべき時がきても、使い切ることはまずない。
要するに、お小遣いに限らず、今後のライフプランを踏まえたお金に対する考え方や価値観をよく話し合ってみることが大切なのである。
最後に1つ。ここまで読んでいただいて、「恐ろしくて、妻にそんなことを切り出せない」という人がいれば、お小遣いを死守する方法の前に、夫婦仲を改善させる方法を探ることをお勧めしたい。お金の使い方をうるさくいう妻は、お金ではなくもっと別のストレスを夫に対して抱えている可能性が高いものだから。