親とコミュニケーションの必要性

終活という言葉を知っているか親に聞いてみて、知っているのであればそれをきっかけに色々と話してみるのもよいかもしれません。

もし、終活という言葉を知らないのであれば、身近で開催されている終活イベントに、「最近流行っているらしいよ」と誘ってみるのもよいかもしれません。

次にエンディングノートを書いてくれないという悩みについて……。

確かにエンディングノートを書くのは、色々と考えることも多く、大変なようです。そのような場合、エンディングノートを書いてもらうのはあきらめて、自分で親から色々と聞き取って、エンディングノートを書いてあげるのはいかがでしょうか。

実際に自分の親のことは、知っているようで知らことが少なくありません。
葬儀や墓の情報だけでなく、いざ親と会話できなくなったら知ることができなってしまうという情報は、意外とたくさんあるもの。

たとえば、母から家庭料理のレシピを聞いておくのも、とても大切なこと。いざというときには、もうレシピを教えてもらうことはできず、母の味を再現することができなくなってしまいます。

まずは、そのようなことから聞いていき、親に自分の人生を振り返る機会をつくってもらいながら、徐々に、葬儀や墓のことなどを聞いていけば、自然とエンディングノートの項目も埋めていけるのではないでしょうか。

エンディングノートは、決して自分で書かなければいけないというものではありません。親にインタビューをしながら、一緒にエンディングノートを埋めていくという、コミュニケーションツールとしても使えるのです。

武内優宏(たけうち・ゆうこう)●弁護士。1980年、東京都生まれ。2007年弁護士登録後、2011年に法律事務所アルシエン開設。遺言・相続に関する案件や葬儀社の法律顧問業務など、「終活」に関わる法的問題を多く扱う。オフィシャルサイト http://www.alcien.jp/
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