エンディングノートに法的拘束力はない!

「エンディングノート」をご存知でしょうか?

明確な定義はないのですが、自分の終末期や亡くなった後についての希望、遺族に伝えておきたいことを書いておくノートのことを総称し、近年たくさんの種類が出回っています。

2011年に映画「エンディングノート」が公開されたことや、2012年に「終活」という言葉が、新語・流行語大賞でトップテンに選出されたこともあって、ここ5年間ほどの間で、急速にエンディングノートが広まってきています。

エンディングノートは元来、残された家族が困らないようにするために書いておくためのものです。

『もしもの時に安心! エンディングノート』(監修・武内優宏、プレジデント社刊)

意思決定能力がなくなったり、亡くなってしまうと、故人にどのような希望があったのか、もう聞くことができません。そうなると残された家族に、本当はどのように考えていたのだろうと悩ませてしまったり、必要な情報がどこにあるか探させたりと、気苦労をかけることがあります。

「介護が必要になった場合にどのような施設を希望するか」「延命治療はするのか、しないのか」「どのような葬儀を希望するか」「葬儀には誰を呼んで欲しいか」「お墓はどうしたいのか」などをあらかじめ分かるように記しておき、存命中や死後の家族の負担をできるだけ減らそうとするのが、エンディングノートのそもそもの役割です。

ここで勘違いしてはならないのは、エンディングノートに法的拘束力は一切ないということ。

相続について、特定の親族を優遇するようにとエンディングノートに書いても、法的拘束力はありません。

このことを知らないと、トラブルのもとになります。