非正規社員は「名ばかり社員」か

2つ目の“爆弾”は、「不合理な労働条件の禁止」(労働契約法20条)。これは、同じ会社で働く有期社員と無期社員の間で不合理な労働条件の相違があってはいけないというルール。たとえばパート社員が正社員と同程度の責任を持って同じ仕事をこなしているのに、パート社員には通勤手当が支給されなかったり、社員食堂を利用できなかったりすると、パート社員はまさに「名ばかり社員」。これは労働契約法違反となる。

2008年の「名ばかり管理職」裁判では、和解成立により、多くの企業が未払い残業代を支払うこととなった。(時事通信フォト=写真)

企業にとって怖いのは、労働条件の違いが不合理と認められると、有期社員側から損害賠償を請求されるおそれがある点だ。実際、2014年5月、東京メトロ売店で働く有期社員4人が、正社員との間に不合理な賃金差別があったとして、東京メトロの子会社に約4200万円の損害賠償を求める裁判を起こしている。また日本郵便に対しても同様の訴訟が起こされている。「これらの裁判は現在も係争中ですが、企業側が負けるようなことがあれば、全国の有期社員が『俺たちも続け』と訴訟を起こすでしょう」

これらの裁判は、名ばかり管理職の存在が明らかになり、多くの企業が未払い残業代を支払うきっかけになった日本マクドナルド事件を彷彿とさせる。裁判の行方がどうなるのか、注目しておきたい。