個人番号カードは何に使えるか?

マイナンバーの配布が10月5日から始まった。マイナンバーによって行政が効率化されるほか、税務当局は個人の所得を把握しやすくなり、脱税防止効果が期待できる。国民側にも、各種手続きが簡単になるというメリットがある。

いまのところ私たちがマイナンバーを使うシーンは限られている。水町雅子弁護士は、次のように解説する。

「まず必要なのは、役所で税金や社会保障、災害対策の手続きを行うとき。サラリーマンは勤務先を通して行う手続きも多いので、会社にマイナンバーを教えておく必要があります。また、配当や保険金を受け取るときにも証券会社や生命保険会社に教えなくてはいけません」

ちなみに銀行への通知は、開設口座で変わる。特定口座で資産運用していれば通知義務あり。一般口座で利子をもらうだけなら通知義務なしだ。

マイナンバーを役所や勤務先、金融機関などに教えるときは、なりすましを防ぐために本人であることを証明する必要がある。このとき便利なのが「個人番号カード」だ。これは運転免許証やパスポートのように顔写真つきで、提示すれば本人だとわかる。

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「通知カード」と「個人番号カード」の違い

注意したいのは、いま順次郵送されているのは「通知カード」であり、「個人番号カード」ではないことだ。通知カードは、マイナンバーを通知するために住民票を有するすべての人に郵送される。一方、個人番号カードは希望者のみに交付され、通知カードと引き換えに市区町村窓口等で交付される。個人番号カードがなくても、「通知カード+身分証明書」、あるいは「マイナンバーが記載された住民票の写し+身分証明書」で代替は可能だ。