マイナンバーを他人に知られるのは危険?

マイナンバーは新しい制度ゆえ誤解も多いようだ。たとえば「マイナンバーを他人に知られるとプライバシーが筒抜けになる」というのも、よくある誤解の1つだ。

マイナンバーは行政機関などに散らばる個人情報の名寄せに使われるが、あらゆる個人情報と紐づけられるわけではない。水町雅子弁護士は解説する。

「マイナンバーと紐づけていいのは、社会保障・税・災害対策分野のうち、法令に明記された事務で取り扱う個人情報だけ。たとえば、借金額や詐欺被害歴などの情報と紐づけることは法律上許されていません」

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マイナンバーと紐づけられる情報には制限がある

社会保障や税関連の情報と紐づくので、マイナンバーから所得額や生活保護受給歴などをたどられるおそれはある。ただ、過剰な警戒は不要だ。マイナンバーに紐づく情報を入手しようと思えば、行政や民間企業のシステムをハッキングしたり、システムにアクセスする権限を持つ者から個人情報を不正取得する必要がある。逆にいえばハッキングや従業者による不正リスクは残ることになるが、以前から行政や民間企業はさまざまな個人情報を管理しており、同様のリスクは存在していた。マイナンバー導入でリスクが従来より高まるわけではない。

もちろんリスクが変わらないからといって、気軽に人に教えていいものでもない。

「マイナンバーからプライバシーが洩れて被害に遭うリスクが高いわけではないですが、自衛するに越したことはない。そもそも自分のマイナンバーを教える必要があるのは自分の勤務先と公的機関くらい。それ以外は教えないほうがいい」