少子高齢化で減り続ける生産年齢人口、リーダー不在に起因する国際競争力の低下――。このままでは、日本の国力は衰退の一途をたどるのみである。活気あふれる社会を実現し、日本を再生するためには何を行うべきか。東進ハイスクール、四谷大塚、イトマンスイミングスクールなど、幅広く教育事業を展開するナガセの創業者・永瀬昭幸社長に話を聞いた。
――世界で活躍できる人材を育成するために、教育の現場ではどのようなことが必要でしょうか?
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英語力は世界でも劣等生!

【永瀬】まずは子供たちの英語力を伸ばすことでしょう。20年後を見据え、グローバル化に対応した英語教育改革が順次実施されていますが、従来の方法では、本当に英語を使いこなせる人材は育ちません。英語を学ぶ目的は、読み書きのレベルを高めることだけではないはずです。国際社会に出たとき、相手の言葉に耳を傾け、自らの意見を述べ、相手を説得できるくらいに「発信力」を高めることが狙いです。英語能力を測るテストであるTOEFL iBTの国別平均スコアを見ると、スピーキング部門でいえば日本は169カ国中最下位(14年)。読み書きの勉強だけしていると、こういうことになってしまいます。

――では子供たちは、どのような勉強をすればよいのでしょう?

【永瀬】「受信型」の勉強をもっと頑張ることももちろん必要ですが、それに加えて「発信型」の勉強を重ねていかなければならない。たとえば授業中、先生はテーマだけを与えて、生徒同士に英語で議論させる。自分は何者か、なぜ勉強するのか、将来はどのようになりたいのか。そんな思いを英語で発信し続けることが、国際社会で通用するコミュニケーション力を養うのではないでしょうか。