保険会社の言うがままに見直すと損をする

だが、バブルの崩壊以降、運用環境が悪化したことで契約者に約束した通りの運用をするのが難しくなり、お宝保険は保険会社に逆ザヤを発生させるお荷物となる。

この逆ザヤを解消するために、保険会社は90年代後半~2000年代前半にかけて、言葉巧みに新しい保険への転換を行う大キャンペーンを行った。このとき、お宝保険の多くは転換させられており、八ツ井さんが行う保険相談でも「予定利率の高い終身保険などに加入している人は、今ではほとんど見かけない」という。

だが、もしもあなたの保険の契約日が96年4月1日より前の貯蓄性のあるタイプなら、「お宝保険」の可能性がある。見直しを検討している人は内容を確認しないままに解約しないよう、慎重に行おう。

代理店は手数料の高い商品を売りたい

また、生命保険の見直しがブームになる中で台頭してきたのが、街中に店舗を構える「乗り合い代理店」だ。特定の保険会社の商品だけではなく、複数の会社の商品を比較して、加入者の保険選びを中立な立場でアドバイスするというのがウリになっている。

だが、その販売手法には疑問の声も上がっている。相談に来る人は、家族構成も、職業も、貯蓄額も、子どもの教育プランも、百人百通りの人生を送っている。

「異なるライフスタイルなら、異なる保険のプランになるのが自然です。でも、乗り合い代理店で保険契約し、その後、私のもとを訪れる相談者は同時期に似たような保険に入っていることが多いんです」(八ツ井さん)