感謝の気持ちを忘れない

ともに働きながら子育てした2人に共通するのは、大変だった時期に手伝ってくれた人たちへの感謝の念だ。

斎藤さんは自分用のほか、別の百貨店の積立も利用しており、そちらのプリペイドカードは両親にプレゼントする。

「子育てを手伝ってくれたことへの感謝の気持ちと、『それを使って買い物して、いつまでも元気でいてね』という思いを込めています」

森さんも、「これからはお金儲けより、社会に貢献するステージに進んでいきたい」という。金融機関から教育関係の仕事に移ったのも、その思いからだった。

「子供が小さかった頃、ご近所にうちの子たちをかわいがってくれた老夫婦がいらして、ときにはその方たちに保育園への送迎を頼んだり、ご飯を食べさせてもらったりしていました。そのお返しというわけではありませんが、今も留学生のホストファミリーをしています」

そうした感謝の気持ちを忘れない彼女たちだからこそ、周囲の協力も得られ、育児と仕事をともに全うすることができたのだろう。

(永井 浩=撮影)
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