相手にとって身近な話題を集めておく
初めての顧客のもとを訪れる場合、ポイントは、約束の時間より早めに取引先に向かうことです。時間ギリギリに到着して、焦ってあがってしまうのを避けるという意味もありますが、しておきたいのは顧客と対面した際の会話のネタ収集です。
最寄り駅に着いたら、目的地まで歩きながら話題になりそうなものを探します。行列ができているスイーツのお店や、変わったメニューのあるカフェがあったらしめたもの。顧客と対面した際、「あのケーキ屋の行列はすごいですね」「ビル1階のカフェに寄ったら、○○というメニューがあったので、思わず頼んじゃいましたよ」など、話の糸口をつかむ話題が集められます。
次はいざ、顧客と対面。初対面の場合、私がやっているのは名刺交換で先方のフルネームを読み上げることです。そこで間違えてしまっても、緊張がほぐれますし、たとえ読み間違えたとしても「珍しい苗字で……、どちらのご出身なのですか」などと、そこから会話が生まれます。
これらのネタ収集の共通点は「相手にとって近い情報である」ということです。誰しも身近なことなら話しやすいもの。相手が話してくれれば、緊張も和らぎ、その後の商談も進めやすくなるでしょう。もし用意したネタが1つ外れても、3つぐらいストックがあれば万全。精神的なゆとりにもつながり、あがらないで済みます。
ネタ収集のために到着が早すぎたとしても、準備の時間を取れたという意味で決して無駄にはなりません。それがまた、1つの話題にもなる。一見無駄なその時間を惜しまないことで、話題を何も用意できずにあがって失敗してしまうより、結果的に、物事を効率よく進められます。