自分は話さない。相手に話してもらう

商談に入った際のポイントは、トークが得意でないのなら、なるべく自分が話さないで済むようにすることです。方法は大きく分けて2つあります。「話す以外の方法で伝えること」と、「相手に話してもらうこと」です。

話す以外の方法とは、例えば資料や写真、現物を見てもらう。視覚にも訴えられるので、あがってしどろもどろな説明をするより、よほど相手に伝わりやすいのです。さらに、話す機会を減らした分、そのとき必ず伝えたいことに力を注げるというメリットもあります。

とはいっても、どうしても自分主導で話さなければならない場合もあります。そのときはなるべく会話に持ち込んでしまいましょう。会話なら、単純に話す量が1人のときの半分で済みますし、流れに乗れるので、自分で話を展開し続けるより、あがり症を意識しにくくなります。

相手に話してもらうよう仕向ける作戦は、自分より目上の人と接するときにも大いに活用できます。

例えば、さほど接点のない上司と出かける車中。いきなり読書を始めたり、眠ったりするわけにもいきません。そんな場合、「私は○年目なのですが、部長の○年目はどんな感じだったのですか?」などと質問するのが効果的。その際、質問は現在のことよりも過去のことから聞き始めたほうが、相手も話しやすくなり、会話がいっそう弾みます。目上の人や年長者には、当人の昔の話題に喜んで答えてくれる人が多いもの。これは取引先の上役や、強面でとっつきにくそうな人と会話しなければならないときにも使えます。