脳を鍛えるのは、肉体のトレーニングと同じ理屈で、負荷を上手にかけてあげれば、それだけ強くなる。今までは、負荷のかけ方がともすれば単調になりがちだったが、人工知能の発達で、より巧妙に、適切な負荷がかけられるようになるだろう。
MOOCと呼ばれるオンライン学習が注目されているが、将来的には学習者の熟練度に応じて、カリキュラムがダイナミックに変わる、人工知能の応用が考えられる。
「あなたの英語のレベルだと、このような課題が適切です」と自動的に判断してくれて、その結果、脳の回路がキリキリと締め上げられ、鍛えられる。そんな時代が、すぐそこに来ている。
自分の脳のレベルに合わせて、人工知能というトレーナーがぴったりと寄り添って鍛えてくれる、そんな近未来。
さて、読者のみなさんは、人工知能による新しい脳トレの時代を、歓迎しますか? それとも、敬遠しますか?
学習するということは、自分をある程度いじめるということ。負荷を乗り越える喜びが、学習を一番促進する。
ボディ・ビルならぬ、脳・ビルが可能になる時代。ぜひ、「一つ脳に負荷をかけてやろうか」という気合を、今から高めておきたいものだ。
(写真=時事通信フォト)