2.自分はこうありたいと決意し、実践しているか

コヴィー博士が、面白い問いを投げかけている。それは、自分の葬儀を想像したとき、参列してくれた人たちから、自分の人生についてどう語ってほしいかというものだ。そこにこそ、純粋に自分のありたい姿があるはずだというのである。

(自分の葬儀に)集まってくれたそれぞれの人たちから、あなたの人生について、何と言ってほしいだろうか。(中略)どういう貢献や業績を覚えていてほしいのか。(中略)彼らの人生にあなたはどういう影響を及ぼしたかったのだろうか。
渋谷にある四畳半のオフィス。力強い言葉が貼り出されている。

僕はテラモーターズをかつてのソニーやホンダのようなメガベンチャーにするという明確な目的を持っている。長かった不況で、日本人は自信を失っているが、かつては盛田昭夫さんや本田宗一郎さんのような世界に通用する経営者がいた。

彼らは、トランジスタラジオとかオートバイを武器に、徒手空拳で世界に挑んだ。やがて、安全で質の良い製品は“メード・イン・ジャパン”のブランドになった。

そして、その評価は今まだ生きている。アメリカやアジアで働いていると「日本製品は壊れにくい」という声をよく耳にする。日本がつくった製品“メード・バイ・ジャパン”は必要とされている。だから、そのニーズに応えれば勝てる。明確な目標を掲げて、迷わずに自主技術で勝負していけばいい。

※言葉の出典は『7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー著)

徳重徹(とくしげ・とおる)
テラモーターズ社長
1970年、山口県生まれ。九州大学工学部卒業後、住友海上火災保険(当時)入社。退社後、自費留学にて米サンダーバード経営大学院にてMBAを取得。2010年テラモーターズ設立。著書に『「メイド・バイ・ジャパン」逆襲の戦略』。
(岡村繁雄=構成 向井 渉、若杉憲司=撮影)
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