3. ユニクロ大量の限定正社員化で強まる社員の階層化

ファーストリテイリングが傘下の「ユニクロ」で働くパート・アルバイトの半分強に当たる約1万6000人を正社員にすると発表。新たに雇用形態は店舗や勤務地を限定した「地域限定正社員」であり、今後2~3年で順次移行していく。

ユニクロに限らず、人手不足にある企業の正社員化も相次いだ。日本郵政グループも4月から「地域限定正社員」(新一般職)制度を導入。4月までに約1万1000人の月給制契約社員のうち4700人が新一般職に転換し、今後も増やしていく。

ユニクロは1万6000人を「R(リージョナル)社員」(地域正社員)と位置づけ、国内転勤型の「N(ナショナル)社員」とグローバルに異動する「G(グローバル)社員」の計3つの社員区分に分けて処遇していく予定だ。

日本郵政グループも地域限定正社員以外に「地域基幹職」(将来の管理者・役職者として組織目標達成に貢献することが期待される社員)という区分も設ける。

非正規に比べて処遇が向上し、雇用が安定することは結構であるが、身分や処遇がこのまま固定化される恐れもなくはない。両社の地域限定正社員の報酬水準は400~450万円。通常の正社員に転換できなければ生活も楽ではないだろう。地域限定正社員が普及することはよいことだが、非正規と正規社員のように新たな階層化を生み出すものであってはならない。

(参考記事:ユニクロ正社員、「N社員」と「R社員」の給与は天と地か http://president.jp/articles/-/12587