ビックデータの活用でニーズをつかむ
まずは既存のデータをより効果的に活用することです。アドバンスト・アナリティクスなどの高度な分析機能によってビックデータを活用すると言った、多くの企業が論じているものの実際にはまだ未活用の企業が多い手法を用いることです。
保険会社にとって、ビックデータは商品企画や保険料算出などの面で、明らかな有益な情報であり、メットライフはお客さまとの関係の質を改善するためにビックデータを活用しています。私も理工系の出身ですので、この取り組みに非常に興味があります。
ビックデータの活用では、お客さまの行動やニーズにパターンを発見し洞察力を生むために、セールス、問い合わせ、苦情、保険金支払い、そして契約保全といった既存データをベースとして、将来のデータを予測する予測モデリングというデータ解析の方法を使います。もちろん、私たちは個人情報の取り扱いには最優先の注意を払わなくてはなりません。
世界的に有名な日本の“おもてなし”の心にあるように、ビックデータの活用によって、私たちはお客さまから求められる前にお客さまのニーズをつかみ、新たなご提案ができるようになるのです。これは、我々のお客さまサービスを効率化させると同時に、お客さまサービスと契約保有の取組みの進化にもつながります。
例えば、過去2年以内に住所変更をおこなったお客さまは、解約など何らかの形で当社とのご契約がなくなる可能性が他のお客さまと比べて約2倍の可能性があるといったようなことがわかっています。ビッグデータの活用により、私たちは優先順位をもってコンタクトしたり、他のデータと結び付けて、フォローすべきお客さまを特定することができます。
ビックデータの活用は、対面セールスに置き換えることを意図されたものではなく、コンサルタント社員や代理店さんが時間をいつ、どこに使うべきかを明らかにしてくれるものです。ある調査によると、この10年で保険に関するアドバイスを求める相手として代理店さんの評価が飛躍的に上がり、お客さまによる期待が伺われます。
私たちは、ビックデータの活用による洞察を、まずは我々のコンサルタント社員やテレマーケティングのオペレーターに提供し、お客さまサービスの向上、保険販売や効率性の向上に役立てきています。最も重要なのは、私たちがお客さまとの関係をさらに深めることを目的にしている事です。
グローバルカンパニーとしての私たちの強みのひとつは、国を超えてベストプラクティスを共有できることです。私たちは日本でのビックデータを活用した成功や他国での学習成果をベースに、アジアの他の市場でこれらの取り組みを再現することを目指します。