なぜ目立たないことが大切なのか

小さな成功、少し儲かったなどの勝利があったとき。できるだけ目立たないように、周囲から浮かないようにすべきです。目立つことは周囲からの無用な詮索を生みます。次の成功と関係ない人間が寄ってくることにもなりかねません。

「誰にでもそれとわかるような勝ち方は、最善の勝利ではない。また、世間にもてはやされるような勝ち方も、最善の勝利とは言いがたい」

これは自然に勝つことを重視すべき、との孫子の指摘です。しかし同時に、勝ち続けるには一つの勝利が目立たないほうがよいとも理解できます。目立つことは、本来なかった向かい風を生み出す可能性があるからです。

あの企業が上手くいっている、あの社長が儲けている。このような話しが話題になるとき、尾ひれがついて伝わることが多いです。結果としていらぬ誤解を生み、人からうらやましがられたり、反感を買うことになる。周囲の人たちにチヤホヤされるのが最終目標でない限り、目立たないことです。小さな勝利を当たり前に生み出せるくらいになるまで、じっと静かにしているのです。次の勝利を生み出すエネルギーを、他のことに取られてしまわないためにもです。

私たちが勝利を見せびらかすべきでない理由。それは、勝利を他社に真似られたり、利益を奪われる危険を避けるためでもあります。小さな成功で目立ち、あなたの成功要因が詳細に知れ渡った場合。当たり前ですが、誰かが必ず真似をしようと行動を始めます。

これではせっかく生み出した自社の成功の方程式も、長く効果を発揮しません。あっという間に、同じ池に釣り竿を垂れる人が殺到するようになるからです。