地方有力中高一貫校の減少が目立つ
早慶の合格者ランキングベスト10の学校の東京大合格者数合計を比べてみると、慶應は早稲田の約1.37倍になる。慶應のほうが東京大など難関国立大の合格者数と連動していることが読み取れる。
上位は中高一貫校が強いが公立校も健闘している。東京の進学指導重点校である日比谷が125人で6位、西が111人で10位に入っている。神奈川では湘南が14位で102人、横浜翠嵐が23位で83人だ。千葉・県立は22位の84人だった。ベスト20は東京、神奈川、千葉の学校が占め、埼玉は25位に浦和・県立が77人で出てくる。地方では32位に愛知の東海が入った。
東京の人気私立大では1都3県(埼玉、千葉、東京、神奈川)からの合格者が増えている。慶應でも一般入試合格者に占める1都3県の割合は、2004年に56.4%だったのが2014年には69.4%にまで上がっている。7割以上を1都3県出身者が占める大学は多く、上智大では8割を超えている。それだけ地方から受けに来なくなっており、首都圏ローカル化が進んでいる。
10年前に合格者が多かった地方の学校を見てみよう。灘(兵庫)が43→14人の29人減、高松(香川)が46→19人の27人減、広島学院(広島)47→22人と青雲(長崎)35→10人の25人減、愛光(愛媛)49→26人と洛南(京都)41→28人の23人減など、大きく減っている。このうち公立校は高松のみで、私立一貫校の減少が目立っている。経済的な問題もあるのだろうが、国公立大、医学部志向が強まっている影響もあると見られる。
合格者が減っている学校が地方に目立つ中で、逆に増えているのは首都圏の学校だ。昨年と比べて今年、合格者が増えたトップは本郷で59人増の117人。次いで開成が50人増の206人、城北が44人増の109人で、トップ3は男子校となった。その後にフェリス女学院が37人増の85人、東京学芸大付国際が22人増の26人と続く。本郷は早稲田大でもトップの伸びで、今年、早慶でもっとも合格者を増やした学校だ。
学部別のトップ校を見ると、文はフェリス女学院、経済と理工と医が開成、法が日比谷、商が浅野、総合政策が世田谷学園と桐朋、環境情報が世田谷学園、看護医療が大妻、湘南、洗足学園の3校、薬が渋谷教育学園幕張だった。医学部は私立大最難関で、ベスト10はすべて男女別学の中高一貫校となった。しかも、そのうち8校が東京大ランキングベスト10に登場する学校だ。トップ層では最難関の国立大と私立大を併願する受験生が多いということなのだろう。