人の前では学歴社会を非難しても、わが子となれば話は別。親の学歴ごとに様変わりする子どもへの期待とホンネの実態が1000人調査で明らかになった。
続いて、わが子を進学させたい大学ランキングも見てみよう。子どもに行かせたい大学のランキング1位は東京大学、2位は早稲田大学、3位は京都大学、4位は慶應義塾大学、5位は名古屋大学。
「日本で一番の大学だから」や「世間的な信頼度が最も高い」など、東京大学へのブランド信仰がいまだ根強いものであることを窺わせる。
しかし、親の偏差値別で比較した場合、ランキングに大きな変動が生じることがわかった。
A層の親のわが子を入れたい大学として、東京大学はランキング4位でしかない。東京大学以外の国立大学も抜いて、トップツーを早稲田大学と慶應義塾大学の私立の雄が占めるかたちとなった。
ランキング1位に輝いた早稲田大学を選ぶ理由として、「自由な校風」「質実剛健」「就職に強い」などの力強いイメージが挙げられる。早稲田大学が醸し出すバンカラなイメージが不況の時代に受けているともいえるだろう。また、2位の慶應義塾大学を選ぶ理由としては圧倒的に「就職に有利だから」という回答が多い。慶應義塾大学OBによって構成される三田会による一流企業内部の縦のつながりを有する、実学の大学の面目躍如といったところか。いずれのケースも東京大学ブランドよりも就職の有利不利といった実利的な要素で判断した結果のようだ。A層にとっては、子どもが偏差値の高い大学に入れる頭脳を持っていることはすでに前提でしかなく、実社会に出る際に有利なポジショニングを取れる大学を志向していることが窺える。