大学改革は受験生の人気を高める
今、国を挙げて大学のグローバル化が進められている。今年から文科省の「スーパーグローバル大学創生支援」事業がスタート。申請された中から「世界ランキングトップ100を目指す」タイプAに13校、「我が国社会のグローバル化を牽引する」タイプBに24校が選ばれた。10年間にわたって2~5億円の助成金が支払われる。上智大はタイプBに採択されたが、もともとグローバル化を早くから推進してきた。グローバル教育に力を入れている秋田にある公立の国際教養大、東京にある国際基督教大、早稲田大、大分にある立命館アジア太平洋大と「グローバル5大学連携協定」を締結し、日本の高等教育のグローバル化を積極的に進めてきた。
また、上智大は近年、改革を熱心に進めていることでも知られる。05年に総合人間科学部(教育、心理、社会、社会福祉学科)を新設し、06年に比較文化学部を国際教養学部に改組、08年に理工学部の学科を改組した。11年には看護学部の単科大である聖母大と合併し、総合人間科学部に看護学科を新設し、今年は総合グローバル学部を新設した。総合グローバル学部の一般入試は150人の募集に対して志願者は2,049人で、競争率は6.7倍だった。全学部中最高の倍率だ。受験生の国際系学部人気が高いことが、これを見ても明らかだ。
改革はこれだけにとどまらない。付属校を持たない上智大は、10年に福岡の泰星中高と教育提携し、上智福岡に校名変更し共学に変わった。11年には静岡サレジオ小中高とも教育提携を結んでいる。両校とも上智大への優先進学枠を設けている。首都圏の塾の講師が、上智大の動きについてこう話す。
「首都圏のどこの大学でも地元からの合格者が増えており、少しでも地方からの入学者を増やしたいとの狙いがあるのでしょう。キリスト教の大学ですから、地方で生徒募集に苦戦しているキリスト教系の中高とは、話がスムーズのまとまるのかもしれません」
このようにさまざまな改革を実施することは、受験生や保護者にとってプラスイメージになり人気も高まってくる。