学科新設、改組再編の大学改革に積極的
改革を積極的に推し進めてきたのが青山学院大だ。08年に総合文化政策と社会情報の2学部、09年には教育人間科学部を新設した。さらに学科の新設、改組・再編も実施し、逆にすべての二部(夜間部)の学生募集を停止した。夜間部の廃止は多くの大学で行われている。早稲田大、明治大、中央大、法政大など、すでに廃止してしまった大学は多い。日本が経済的に豊かになり、勤労学生がいなくなってきたことが大きな理由だ。
さらに、入試が厳しい時には昼間部に合格できず、「有名大学の夜間部なら進学してもかまわない」と考える受験生も多く人気を集めていた。しかし、それが少子化と大学数の増加により、大学に入りやすくなって昼間部に合格できるようになると、夜間部を目指す受験生は激減していった。その結果、大手大学では夜間部を廃止する大学が増えたのだ。
青山学院大の改革は続く。13年にはキャンパス再配置を行い、文、教育人間科学、経済、法、経営、国際政治経済、総合文化政策の文系7学部が、青山キャンパス(東京都渋谷区)で4年間、学べることになった。それまでは1年次あるいは1~2年次の時は、相模原キャンパス(神奈川県相模原市)で学び、2年次か3年次以降は青山キャンパスで学んでいた。それが全学部で4年一貫教育が実現することになった。現在の相模原キャンパスは、理工と社会情報の2学部の学生が4年間学んでいる。
来年はその相模原キャンパスに、新しくグローバル人材を育成する地球社会共生学部を新設予定だ。
これだけではない。横浜英和女学院中高と系属校提携を行い、16年入学者から条件を満たせば希望者全員が青山学院大に内部進学が可能になる。18年からは女子校から男女共学に替わることも発表されている。大手の大学では、2018年問題と言われる18歳人口の再減少期に突入する前に、キャンパス整備、学部・学科の再編、付属校などの拡充を進めている。青山学院大は今やその最先端といっていいほど改革に力を入れている。