──上場で一つ花道ができたが、後継者についてはどう考えているか。

【後藤】4月に上場したばかりですから、まだ後継者については考えていません。とにかく今は西武グループの企業価値を高めていくという、この一念で取り組んでいます。

ただ今後、西武HDを背負って立っていく人材には、グループビジョンをしっかりと踏まえて、それを体現してくれる人。実現するために全力を傾注してくれる人、そして誠実に挑戦する人、どんな困難に対しても前向きにチャレンジし、常に新たな視点でイノベーションに挑戦してもらえるような人を期待しています。

そして今後を担う社員たちには、自立して、どんな局面でもしなやかに対応してもらいたい。「疾風に勁草を知る」という言葉が好きなのですが、これからの人たちには強い風が吹いたときでも一人ひとりが強い草で、しっかりと土に根づいてもらいたい。

西武ホールディングス社長 後藤高志
1949年、東京都生まれ。72年東京大学経済学部卒業後、同年4月第一勧業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)入行。みずほコーポレート銀行取締役副頭取などを経て、2005年2月に西武鉄道特別顧問に、5月に同代表取締役社長に就任。06年2月から現職。ほかに、プリンスホテル取締役、西武ライオンズ取締役オーナー、西武鉄道取締役会長も務める。
(松崎隆司=構成 矢木隆一=撮影)
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