「30代後半の頃は、年収1000万円弱くらいもらっていた。でも今は、本当に日々、お給料が下がるばかり」
そう語るのは、1月に経営破綻、会社更生法適用となった日本航空(JAL)のベテラン客室乗務員、水沢絵里子さん(仮名、42歳)である。昨年の年収は約700万円。今年末までに、約1万6000人の人員削減が発表されており、5月末までに第一陣の約3610人が退職したと報道された。
「35歳以上の社員に面談が行われましたが、決断までにそれこそ1~2週間しかなく、日々辞めるか迷っている人もたくさんいました。でも私は独身ですし、元自営業で年金の少ない両親を養っているので残るしかないんです」
リクルートの再就職案内が渡され、退職を決めた人は4月末に説明会が行われたが、同年代で辞めた同僚の話によると「タクシーの運転手を勧められた」といった話ばかりで、本当に望むような職は見つかりそうにないという。
絵里子さんは、20代の頃に短い結婚生活を経験した。元夫は年収1000万円超のエリートだったが、絵里子さんの両親とうまくやってくれなかったため離婚した。両親も「あんな人とは離婚してよかった」というスタンスだったという。今は都内の賃貸マンションに一人暮らしだ。家賃は15万円、駐車場込みで18万円ほど払っている。加えて、郊外に住む両親に、生活費として月10万円程度を渡しているという。
「以前は、月収が手取りで50万円を超えることもありましたが、今は35万円くらい。あてにしていたボーナスも昨年冬からゼロになりましたし、お金はまったく手元に残りません」
収入が減っても、親への仕送りの額は減らさずやってきた。特に贅沢な暮らしはしないという絵里子さんには、若い頃から貯めたお金が約2000万円あり今はそれを少しずつ切り崩す毎日だ。特に引っ越しなどは考えていないという。