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集団的自衛権で対立!?朝日・毎日vs読売・産経(PIXTA=写真)

政策上の大きな争点が出てくると、新聞やテレビはよく世論調査を行う。世論調査は通常、数百~数千人を対象に無作為に電話をかけるといった方法で行われ、国民の声が“公正”に反映されるはずと思いがちだ。ところが、世論調査の結果が、マスコミによって180度異なることがある。

最近では5~6月に、「集団的自衛権」の行使容認について、マスコミ各社が一斉に世論調査を行った。行使に反対する意見が多かったのは、毎日新聞の58%、朝日新聞の56%。

一方、反対する意見が少なかったのは、読売新聞の24%、産経新聞・フジテレビ系列の33.3%。毎日の世論調査では、反対派が読売の2倍以上もいることになってしまう。実は、これにはからくりがある。ポイントは設問の仕方にあるのだ。

まず、回答の選択肢についてであるが、毎日や朝日は、賛成か反対かの二者択一を回答者に迫っている。それに対して、読売や産経・フジは、「全面的に賛成」「必要最小限なら賛成」「反対」の3択にし、「賛成」の選択肢を2つも用意している。

全面的な賛成に躊躇する中間派の多くは、賛否を二者択一で求められると、反対に回るだろう。しかし、「条件付きで賛成」という妥協案を示されたら、それに惹かれてしまうはずだ。

もう一つ重要なのは、どういう文脈で回答を求めるか。産経・フジの質問文では、「日本と密接な関係にある国が武力攻撃を受けたとき、日本に対する攻撃とみなして、一緒に反撃する」と、集団的自衛権の説明があるだけだ。