平均額と中央値の違いをおさらいしよう
1世帯(2人以上)の平均貯蓄額は1,101万円(金融広報中央委員会調べ、2013年*)。
この平均額を見て「我が家より多い!」と思う人もいれば、「こんなに少ないの?」と思う人もいるでしょう。でも、焦りや嫉妬は禁物ですし、優越感に浸るのもちょっと違うと思います。
「平均はいくら?」
私たちは、給料や小遣い額、初めて行く海外旅行の予算など、また購入経験のないこと(婚約指輪の値段など)について、その相場や目安を知りたくなります。
でも、その平均は本当に「平均」を表しているものなのでしょうか?
表1は、2013年の金融資産の保有額です。年代や年収別の詳しいデータになっているので、まずは、自分に当てはまるところの金額を確認してみてください。
表内にある、貯蓄の「平均額」とは、調査した全員の貯蓄額を合計して、その人数で割った値のことを表します。そして、貯蓄の「中央値」とは、貯蓄額の少ない人から多い人の順に並べたときにちょうど真ん中にいる人の値のことをいい、一般的には、平均額の実感に近いのは中央値の方だといわれています。
では、貯蓄額が0円、100万円、2000万円の3人がいた場合を考えてみましょう。
3人の中央値は100万円ですが、平均値は貯蓄の高い人に引きずられた結果、700万円まで上がってしまい、3人の実感からは遠い数値になってしまいました。
同様のことは総務省が16日に発表した2013年家計調査報告の貯蓄額でも起こっています。
2人以上世帯の貯蓄額の平均値は1,739万円ですが、中央値は1,023万円でした。さらに、勤労者世帯に限った平均値は1,244万円ですが、中央値は735万円という結果でした。
この調査からも平均値と中央値では、実感に近いのは中央値であるということと、貯蓄の多い人が平均値を引き上げていることがわかりますね。