親が介護生活に入ると必ずケアマネージャーの世話になる。その多くは献身的だが、なかには「暴君」もいる。どうやって見極めればいいのか。対策についてライターの相沢光一氏が解説する――。

アタリ・ハズレの見極め方は

前回(http://president.jp/articles/-/13267)はより良い介護ができるかどうかの鍵を握るのはケアマネージャーであることと、もし担当しているケアマネージャーが要介護者とその家族の意にそぐわないケアプランを作ったり、相性のよくない人物だったりした場合、担当者の変更を申し出ることができることを書きました。

要介護者が、その家の事情に合致したより良い介護サービスを受けられるかは、運任せの部分があります。親が要介護になった時は、まず役所の介護課や地域包括支援センターに相談することになります。ケアマネージャーはそこから連絡を受けた事業所から派遣されるわけですが、たまたまその日のスケジュールが空いていて、その家に駆けつけることができる人が担当になるケースが多いそうです。

要介護者とその家族にとってケアマネージャーは、家の内情に立ち入る存在であり信頼感で結ばれた人間関係を築くことが重要です。しかし、タイプ的に合わず、信頼感が持てない人が担当になるケースが少なくないのだそうです。

ケアマネージャーを指名することもできるといいます。たとえば、近所の長年介護をしている人などに評判の良いケアマネージャーを聞いておき、その人にお願いするという方法です。

しかし、自分の家族が要介護になることを想定している人は少ないでしょう。結局、多くは事業所からあてがわれた人が担当することになる。信頼関係が築けない人に当たってしまうこともあるわけです。

では、担当しているケアマネージャーの良し悪しを見分けるポイントはどんなところにあるのでしょうか。

介護レンタル会社のスタッフといった定期的に自宅にやってくる出入りの業者さんに「良し悪し」を聞く、という手があります。そうしたスタッフは業務上、多くのケアマネージャーと接します。そして、要介護者や家族などの当事者とは異なる視点で介護の「現場」を見守っています。父の死後、世話になった介護レンタル会社のIさんに「良し悪し」を単刀直入に聞いてみました。

「良いケアマネージャーさんは要介護者とその家族の話をちゃんと聞き、介護サービスの情報を分かりやすく提示します。そうして家族が納得したうえでケアプランをつくる。つまり、しっかりとコミュニケーションを取ることができる人です」

相手と呼吸を合わせて「言葉のキャッチボール」ができるかどうか。そんな当たり前のことを当たり前にやる人こそがアタリなのです。