――転機となった仕事は?

【眞保】古賀信行社長(当時)の政策秘書です。社長が何を必要としているかを考え、役立つものを用意するのですが、あらゆる場面を想定し、想像力を働かせることの大切さを学びました。トップの判断を間近に見ていたので、そのプロセスを学べたのは大きな経験でした。

――今回の社長指名の理由は?

【眞保】野村ホールディングスの執行役員経営企画担当という立場で、4年間経営のサポートに携わりました。でも、最終的な意思決定はトップ。今度は最後まで自分で責任を持って実行するように、ということだと思っています。

――会社の強みをどう活かしていこうと考えていますか。

【眞保】有価証券を扱う点で1日の長があります。例えば、野村證券でお預かりしている有価証券を担保に、最短で翌営業日に融資できるサービスもあります。しかし、野村グループに銀行があること自体があまり知られていないため、私が女性社長として注目を集めることも、知名度向上の一助になればと考えています。また、さまざまな部署で積んできたキャリアを活かしながら、そうした自社の強みをうまく伝えていくことができるのではと思っています。

野村信託銀行執行役社長 眞保智絵
1965年、神奈川県生まれ。89年、早稲田大学法学部卒業、野村證券入社。96年、米・スタンフォード大学経営大学院(MBA)修了。執行役員経営企画担当などを経て、14年4月より野村信託銀行執行役社長。

出身高校:フェリス女学院高校
長く在籍した部門:エクイティ関連部署
座右の書(または最近読んだ本):『ワーク・シフト』
座右の銘:白鳥蘆花に入る
趣味:スキー

(吉川明子=構成 田所千代美=撮影)
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