DYMと同様にネットを利用しているのだが、ヒューマンパワーも同時に活用しながらモノを売る“販売代理店”として急成長し、松室氏が注目しているのが福井市に本社を構える「ALL CONNECT(オールコネクト)」だ。
「同社は受託したモノやサービスの販売をネット上で100%完結させるのではなく、電話の受付窓口であるコールセンターも設けています。岩井宏太社長にいわせると『ネットから直接申し込む人と、ネットを見てから電話をかけて申し込む人は半々の比率』だからです。ネット販売は人手がかからず効率的に見えますが、実は潜在的な客を取り込めていない。その隙間を埋めているわけです」
なんといっても、その販売力がすごい。携帯電話の場合は月に1300台ほど売ってしまう。これは携帯ショップ20~30店舗分の販売量だという。30歳の岩井社長が率いる同社は05年設立ながら、いまでは段ボール、家庭用ウオーターサーバーといったモノだけでなく、白アリ駆除、地盤沈下のトラブル処理などのサービスの販売代行も行うようになっている。売上高は昨年度の27億円に対して今年度40億円の見通しだ。
確かにウェブに不慣れな年配の人間はネットでの購買に不安を覚えるもの。コールセンターを通して内容や保証を自分の耳で確かめられたら、その不安は解消するだろう。それに電話をしてくるということはもともと購買意欲があるわけで、もう一押しするだけでクロージングに持ち込めて取りこぼしも少なくなる。
また、販売後のフォローを行うことで追加商品の販売も可能になり。パソコンを購入したお客にソフトを勧めたところ、85%のお客が購入したというから驚く。任せて安心な“リアルを融合したネット販売代理店”――。それがオールコネクトなのだ。