少数派・買取反対の人々の言い分
一方、【買取反対派】はどう答えたのか。
「有休分のおカネより、夫の家事参加を望む」(32歳・パート・女性)
「最近、主人は有休を全然取ってくれません。会社が忙しいと言って、取らせてくれないのだとか。うちには小さな子供(3歳)がいて、私も働いているのだから育児を均等に分担してほしい。有休は労働者の権利なのだから全部堂々と使って、子供の面倒をみてほしい。有休をおカネで買い取るなんて案が認められたら、有休を取る人がますます減って、私のような立場の女性が苦しむことになる」
【有休を完全消化するのは当たり前です」(29歳・公務員・男性)
「私は市バスの運転手です。有休は入社と同時に20日与えられますが、これまでそれを全部消化してきました。勤務表は有休を全部消化するように組み込まれているので、全員が当年度に100%消化しています。それなら病気したらどうなるのかといえば、別に病気休暇という制度が別にある。もちろん給与付きです。有休をおカネで買い取るなんて案があるらしいけど、民間企業も、公務員と同じように100%消化すれば良いのです。買取の必要なんてありません」
以上、色々な立場に立って有休買取の是非を論じてみた。有休取得率(厚生労働省)を見ると、企業規模が1000人以上は56.5%、300~999人が47.1%、100~299人が44%、30~99人が42.2%となっており、大企業ほど取得率が高く、中小企業は低くなっている。
さて、そもそも法律的には有休買取は許されるのか。