この冬の民間企業ボーナス支給額は前年比3.8%減り、2年連続して前年水準を下回ると予想されている(野村証券金融経済研究所調べ)。先々の不安から、しばらくは思い切った消費は控えようと考える人も多いだろう。
では、投資はどうだろうか。私の考えは「余裕があるなら積極的に投資してもいい」である。いうまでもなく、投資は安く買って高く売ることで売却益が得られるもので、安く買える今は買い時であり、大きなチャンスといえる。
実際、日経平均株価が大きく下落した翌日に大幅に反発することが多いのは、安値をチャンスと捉える個人投資家が多いためである。投資信託でも大幅下落の日に多額の買い注文が入り、翌日の相場を押し上げる一因にもなっている。
とはいえ、株式市場は依然として変動が激しい展開となっており、下げては上げ、上げては下げを繰り返している。「底を打ったことを確認してから買ってもいいのではないか」と考えがちだが、うまくタイミングをつかむのは容易ではない。むしろ底を打ったときには投資を本格化させるという心積もりで、ここは手始めに投資を始めておくというスタンスをお勧めしたい。「打診買い」である。
株式投資では、1株あたりの純資産額を表すPBR(株価純資産倍率)や、株価を1株あたりの税引き利益で割ったPER(株価収益率)といった伝統的な指標が参考になる。いずれの指標からも、今回の株安で日本株はかなりの割安水準にまで下がっていることは確認できる。しかし現状、これらの指標を額面どおりに受け取っていいかは疑問が残る。利益が出ていてもキャッシュ不足から破綻に陥るという黒字倒産が起きているためだ。
この時期、銘柄選びに自信がもてない場合は、投資信託、とくにアクティブ運用型のファンドを選択するのもいいだろう。アクティブ運用とは、ファンドマネジャーが銘柄を厳選して投資を行い、日経平均株価などの指数、つまりは市場平均を上回る投資成果をめざすタイプ。