聞く気がない聴衆の注意を喚起するには

[6] 1対1のメッセージにする

人は誰しも、自分が重要な存在であると感じたいものだ。ダイレクトメール、インターネットのメーリングリスト、マスコミュニケーションでは、個人的な関係を築くことができないのはこのためだ。同様に、「経営陣」から「全従業員」への社内連絡は、ごみ箱に捨てられるが、しかし1対1のメッセージは、個人的に注意を引くだけの内容であることを、聞き手に示す。解雇の際、あるCEOは、再就職の斡旋を待つ元従業員1人1人と話した。従業員は職を失い打ちひしがれてはいたが、CEOから個人的に注意を払ってもらったことで、会社に対して好意的な感情を抱いたのである

[7] あるべき姿をメッセージにする

ある大企業のサービス・グループのリーダーは、現在直面している経済的に困難な時期がひとたび好転した暁には、グループは何をすべきかに関して、あるビジョンを持っていた。グループの将来像を描くことにより、マネジャーは、困難な時期にも懸命に働くようグループ・メンバーを鼓舞すると同時に、全員が心に抱いている夢の実現を目指してメンバーを導いた。

[8] 新しい基準を与える

今まで気がつかなかった区別の仕方が存在することを教えられると、人は心から納得するものである。オフロード・キャピタル・マーケッツの創設者スティーブ・ペルティエ氏は、部下に対し、「マネジメント・バイ・オブジェクティブ(目標による管理)」にかえ「正しいことを行う」ことを指示した。新規に事業を開始した状況では、具体的な目標は、会社全体の成功を生み出すことに比べれば重要ではないことを強調した。この区別によって社員は、日々のプロジェクトより大きな責任があることを理解した。

[9] メッセージを聞き手の関心事に結びつける

あるヘルスケア企業のCEOは、強い価値観を持った従業員に対し、彼らの目的意識に結びつけたメッセージを伝えることが効果的であることに気づいた。「収益を上げるために、方針を変更する必要がある」というメッセージに、従業員は無表情であったが、「方針を変更し、乳癌の心配をしている女性に役立つ企業になりたい」というメッセージは、従業員の注意を喚起した。