企業全体は好調でも、中小企業は営業減益

企業規模による差にも目を向けてみましょう。財務省「法人企業統計」の2026年4~6月期を見ると、金融・保険業を除く全産業の営業利益は前年同期比23.7%増でした。

しかし、規模別では大企業(資本金10億円以上)が31.8%増、中堅企業(同1億円以上10億円未満)が23.5%増だったのに対し、中小企業(同1000万円以上1億円未満)は1.5%減です。

中小企業の売上高は前年同期比6.9%増えた一方、営業利益は1.5%減り、営業利益率は低下しました。仕入価格や人件費の上昇を販売価格に十分に転嫁できていないことなどが、一因と考えられます。企業全体の利益が増えていても、全国の企業に好況が広がっているとはいえないのです。

【図表】企業規模による営業利益の差
(出典:法人企業統計を加工)
【図表】業種による利益の明暗
前年の利益がゼロ以下の業種は、増減率を算出対象外としています。増減率は財務省の公表値。表示金額の丸めにより、表示金額から再計算した率と差が生じる場合があります。(出典:法人企業統計を加工)

今回の比較では、売上規模で「自動車」や「総合商社」の存在感が大きく、利益の伸びにはAI需要や金利、資源価格の変化が表れています。同じ増収増益でも、数量が伸びたのか、価格が上がったのか、一時的な損益の影響なのかで、その意味や持続性は変わります。数字の背景を読み解くことで、日々の経営や投資の判断に生かしていきたいですね。

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