きっかけは過去にマダニに咬まれた経験
α-gal症候群は、一般的な食物アレルギーとは異なる特徴を持っています。多くの食物アレルギーがタンパク質に対する反応であるのに対し、このアレルギーでは「α-gal」という糖鎖(糖タンパクの構成成分)の一種が原因となります。
また、症状が食後すぐではなく、数時間経ってから現れることも特徴です。そのため、食べた肉と症状を結びつけにくく、原因不明のアレルギーとして見過ごされることがあります。
牛肉や豚肉、羊肉などが主な原因ですが、鶏肉や魚肉は通常問題ありません。
さらに、発症のきっかけとしてマダニに咬まれた経験が関係すると考えられており、屋外活動の多い人ほど注意が必要です。日本でも患者の報告は増えており、中高年で発見されるケースも少なくありません。
対策の基本は、原因となる哺乳類の肉を避けることです。牛肉や豚肉、羊肉だけでなく、肉由来のゼラチンを含む食品や一部の加工食品にも注意が必要です。過去にアナフィラキシーなどの重い症状を起こしたことがある人は、緊急時に備えてアドレナリン自己投与薬(エピペンⓇ、ネフィーⓇ)の携帯が勧められます。
また、新規発症予防、再発予防のためにはマダニ対策も重要です。草むらや山林に入る際は長袖・長ズボンを着用し、帰宅後はマダニが付着していないか皮膚を確認しましょう。α-gal症候群は、食事や生活に注意していれば、時間の経過とともに症状が軽くなることもあります。
しかし自己判断で肉を食べ始めるのではなく、医師の指導を受けながら経過をみることが大切です。
症状が出たときの状況をメモしておいて
アレルギー対策で最も大切なのは、自分の体が何に過剰に反応しているのかを知ることです。つまり、原因となるアレルゲンを特定することです。
原因は人によって異なり、複数のアレルゲンに反応していることもあります。原因がわかれば、対策は具体的になります。食物アレルギーなら原因となる食品を避ける、ダニアレルギーなら寝具や室内環境を整える、薬剤アレルギーなら使用を避ける薬を明確にする、といった対策が可能になります。
一方で、原因がわからなければ、何を避ければよいのかもわかりません。まるで、姿の見えない敵を相手にしているようなものです。
原因を見つけるうえで最も重要なのが、症状が出たときの状況を振り返ることです。いつ、どこで、何を食べたのか、何をしたあとに症状が出たのか――こうした情報が、原因を探る大きな手がかりになります。
受診の際は、あらかじめ簡単なメモを用意しておくと役立ちます。長い文章や日記を書く必要はありません。医師から質問されたときに、要点を整理して伝えられる程度で十分です。

