制御不能に陥ったプロジェクト管理の典型例

膨れ上がった費用は、最終的にDBが単独で負担することになった。

DBは増加分を州や市などの事業パートナーと分担すべきだと訴えたが、2025年8月に敗訴が確定した。

レイルウェイ・ガゼットによると、旅客鉄道の競争促進を掲げる業界団体モーフェアなどは、2025年8月の判決を受けて、これは通常の鉄道事業だったことは一度もなく、変則的な資金で賄われた「不動産事業」で、連邦首相府に至るまで政治が密接に伴走してきたと指摘した。

ハンセン氏は、1994年の当初計画の頃から、費用が「少なくとも400~500%」過小に見積もられていたと分析する。現在のやり方では、州の交通省がDBに「どの品質指標で評価されたいか」と尋ね、DBの側がその指標を提案しているという。厳しく評価されるべき事業者側が、都合の良い観点を選んでいるわけだ。ハンセン氏はコンテクスト・ヴォッヘンツァイトゥングに、「間違ったやり方だ」と語る。

鉄道大国のドイツといえど、設計が固まらないうちに着工し、安全性や実際の処理能力を楽観視してプロジェクトを強引に進めたことで、計画は10年単位で遅れ、「制御不能に陥ったプロジェクト管理の典型例」とまで呼ばれるようになった。ドイツに限らず、巨大事業ならどの国でも同じことが起こりうるという意味では、示唆に富んだ事例でもある。

ライヒェルター氏は2025年2月、AFPに「残念ながら、決して終わることはないでしょう」と述べ、開業後も追加工事は続くと警告していた。

「駅はいつ完成するんですか?」との市民の疑問は、当面解消する気配がない。

シュトゥットガルトの街並み
写真=iStock.com/Roksana Bashyrova
シュトゥットガルトの街並み

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