防火専門家の結論は「認可できない」

勾配、容量に続く3つ目の疑問として、火災の際の避難リスクが挙げられている。

独紙tazによると、2018年に反対行動連盟が依頼した2人の防火専門家は、地下駅の防火計画が連邦鉄道庁の規定に多数の点で違反しており、「認可できない」と結論づけた。

避難路は狭く、煙が抜けない。階段の踏み面は深さ26センチしかなく、利用者によっては足全体を乗せられない。報告書は「一人が転べば、他の全員を巻き込む」と警告する。給気口は2キロ先にあり、排煙が効き始めるまでに最大20分かかる。

DBの避難計画は、ホームの両側にローカル列車が1本ずつ停車した場合の約4000人を前提とする。しかしDB自身は、容量を確保するために1本の線路へ2列車を停めることも視野に入れている。そうなれば最悪の場合、6900人以上が火災に巻き込まれる。

8年近く経った2026年2月、連邦交通省は連邦議会での質問に対し、防火・避難計画はまだ確定しておらず検証もできないと答えた。インターナショナル・レイルウェイ・ジャーナルが報じている。

1本の線路に2列車を停めなければ、必要な本数を運行できない。だが、傾斜の安全性から許可されない可能性があり、許可されても避難に支障をきたす。解けないジレンマが残る。

非常口
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来年には歩行者用の近道が開通

それでも、DBは開業予定日を公表した。

2026年6月の計画では、開業を5段階に分けた。2027年12月の時点では列車が走らず、駅を抜ける歩行者用の近道が使えるだけだ。2030年12月に空港の長距離駅がまず地域列車向けに開業し、2031年12月に地下の新中央駅が開業する。2032年7月にデジタル化・拡張したSバーン中央区間が稼働し、2033年12月にプファッフェンシュタイク・トンネルが開通する。

つい最近まで掲げていた「2026年末開業」の目標から5年、着工時の2019年からは12年、当初計画の2008年からは23年の遅れとなる。

国際鉄道業界専門誌のレイルウェイ・プロによると、緑の党出身でバーデン・ビュルテンベルク州首相のジェム・オズデミル氏は、この計画が「全国的な笑いもの」になりかけていると評し、DBに「信頼できる数字」を示すよう求めていた。

同誌によると、ドイツ納税者連盟の担当者は、この計画を「制御不能に陥ったプロジェクト管理の典型例」と呼び、連邦予算とDBからさらに数十億ユーロが注ぎ込まれていると警告している。