国民に嫌われる「悪役軍団」を貫け

一つは「高市改造内閣の評価」である。

今回の内閣改造では、自民党の派閥の裏金事件を巡り、政治資金収支報告書に不記載があった旧安倍派のいわゆる「裏金議員」が2名入閣した。維新からは、談合事件で逮捕・起訴され、有罪判決を受けた議員も入閣している。彼らを入閣させた高市首相の政治姿勢を、野党は徹底的に問うべきだ。

「スキャンダル追及は嫌われる」「政策論争をすべきだ」という、使い古された反論もあるだろう。しかし、内閣改造後の各種世論調査では、今回の閣僚人事を「不適切だ」と考える人は、軒並み半数を超えている。野党がこうした国民の声に応え、国会で高市首相の真意をたださないほうがおかしい。

そもそも、スキャンダル追及がなぜ嫌われるかというと、それは「野党をまとめる」効果があるからだ。政権の政策を批判する場合、個々の野党の考え方の差が強調されがちだが、スキャンダル追及はそういう違いを気にしなくて済み、野党は結束しやすい。「スキャンダル追及はダメ。政策論争を!」というのは、形を変えた野党離間策でもあるのだ。

「劇場型政治」という言葉があるが、実際、国会は劇場と似ている。政権が嫌がることを問いただすのは、俳優に与えられた役柄と同じで、野党に与えられた「役割」だと考えてほしい。「国民に嫌われる」のが気になるなら、悪役のオファーを受けたつもりで演じ切ればいい。悪役を見事に演じた俳優が高く評価されるように、野党の評価も、自らに与えられた役割をまっとうに演じきれるかどうかで決まる。

サングラスをかけたマフィアのような男性
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「比例削減案」は野党結集のうってつけのテーマ

もう一つは「選挙制度改革」である。

先の特別国会では、比例代表の定数を45削減する衆院議員定数削減法案が、野党の批判を受け継続審議となった。比例代表の議席が多い少数政党(必然的に野党)が打撃を受ける、まさに「多数派の横暴」を地で行くような改革案だ。これが臨時国会で再び大きな政治課題となるのは間違いない。

あらゆる野党が不利益を被るだけに、野党は結束しやすいはずだ。また「権力を持つ者が強権で政治を一色に染める『決めすぎる政治』」に対して、多様な考えを持つ議員を国会に送り「熟議」を大切にする政治の必要性を訴えることは、高市政権との「国家像の違い」を示すことにもつながる。